リーダーの心得

其の十一 危機から逃げない

事故や困難な問題が生じたときに、逃げてはいけません。
現場指揮官である上司が右往左往していたら、最前線で努力している部下は不安に陥(おちい)ります。自らの不作為(ふさくい)で問題が生じた時に、責任のがれのためうそを言う、他人に罪をなすりつける、黙りを決め込むなどの、往生際の悪い行為は、一気に人望を失います。

其の十二 部下を守る

自らの部下が、事故を起こしたり、激しい苦情を受けたときなど、厳正な対応はもちろんですが、最終的には部下を守り抜かねばなりません。
そして、問題を解決するために、共同歩調をとるのです。

其の十三 言行を一致させる

口では立派なことを言っても、さっぱり行動が伴わなければ、誰からも信頼されなくなります。

其の十四 仕事に熱意を持つ

部下が自らのキャリアを磨くべき日々精進しているときに、意気消沈させるような上司の仕事に対する姿勢は「百害あって一利なし」です。
そもそも、熱意なき者が人の上にたってはいけません。

其の十五 責任感を持つ

責任感のない上司の尻ぬぐいをするのは部下です。これを続けていると、人望を失います。

其の十六 決断をする

福祉の現場の最前線は、(例として妥当(だとう)じゃないかもしれませんが)あたかも戦場のようです。そこでの優柔不断な態度は、時には重大な問題を引き起こします。
利用者ならびに職員の生命を守るために、時に毅然たる決断が必要です。

其の十七 部下を信頼する

部下を信頼せずして、事は何も始まりません。
裏切られてもいいじゃありませんか。問答無用で信じましょう。

其の十八 率先垂範する

上司が部下に教えるときは、実際にやってみせて、次にやらせてみることが基本です。
技術的なことばかりでなく、仕事の進め方から家族の対応まで、上司は率先垂範することが重要です。

其の十九 情緒を安定させる

部下を持つ者は、情緒の安定を保たねばなりません。感情の極端な起伏を抑えることは、部下の心をも安定させます。
自分の精神状態によって、あいさつをしなかったり、不機嫌なオーラを周りに発して近づけさせないなど、部下を持つどころか、福祉に携(たずさ)わる資格がありません。

其の二十 公平な評価をする

評価の判断基準も常に一定、かつ公平にしなければいけません。機嫌の良いときと悪いときや、人の好き嫌いで判断基準が変わるのであれば、人心は一気に離れるでしょう。そうなってしまうと信頼を再び取り戻すのは不可能です。